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課目別ワンポイントアドバイス 2011年1月試験の傾向
ライフプランニングと資金計画
学科試験は、キャッシュフロー表の数字の意味、国民健康保険、公的介護保険、雇用保険など社会保険の知識のほか、国民年金の第3号被保険者、老齢厚生年金、遺族厚生年金、確定拠出年金、中小企業退職共済制度などが出題されています。前回まで出されていた住宅ローンに関する問題は今回出ていません。出題内容は、全体的に基礎的な知識を問うものとなっており、今回の試験では特に新しい出題傾向は見られないようです。
実技試験では、キャッシュフロー表の金額の穴埋め、住宅ローンの借入可能額、複利係数表の計算などが計算問題として出されています。計算問題といっても、複雑な計算式を使うものではなく、正確な知識を持っていれば確実に解ける問題となっています。計算以外としては、遺族給付、医療費、家計バランスシートの理解を問う問題です。公的年金は年齢による受給チャート図を選択する定番問題が出されています。
リスク管理
今回の学科試験は、概ねベーシックな問題でしたが、生命保険の税務や事業活動のリスク管理などで、やや細かい(難易度の高い)と思われる問題も見受けられました。保険商品については、個人向け生命保険商品、医療保険、個人年金保険、自賠責保険、傷害保険など頻出分野からの出題が中心で、基本的な内容についての正確な理解が問われていました。税金の分野からは、生命保険の税務と個人事業主の税務処理が出題されていました。個人事業主には「事業」としての側面と「個人」としての側面がありますので、その両面から税務処理を整理しておきましょう。また、昨年改正のあった保険法についても出題されていました。改正点は出題されやすいところですので、ポイントは押さえておく必要があります。
実技試験では、毎回出題される保険証券の読み取り、変額個人年金の税務、損害保険全般、資料の読み取りといった定番問題が出題されていました。今回の保険証券の読み取り問題は比較的シンプルな問題でしたので、取り組みやすかったのではないかと思います。
試験対策として、頻出分野についてはより知識の正確性を高め、その他の分野については「広く浅く」ポイントを押さえるようにして、できるだけ「穴」をつくらない学習を心がけましょう。また試験本番では、解けそうな問題から確実に解答していく、というスタンスも大切だと言えます。
金融資産運用
学科試験は、経済指標、為替の変動要因、積立、債券、外貨建て取引などの基礎的な知識を問う定番問題のほか、計算によって株式の投資指標やポートフォリオの期待収益率を問う問題が出されています。ほかには、株式の信用取引、先物・オプション取引など、デリバティブの知識を問う問題が2問出ているのが今回の特徴です。
実技試験では、経済データ、金融商品の証券残高証明書の読み取り、個人向け国債の中途換金などの理解を試す問題が出ています。計算問題は、投資信託の購入手数料及び信託財産留保額、投資信託の分配金額の計算、株式の取得価額の計算、外貨預金で元利金受取額の損益分岐点となる時の為替レートの計算など、やや複雑で実践的な内容が問われています。
学科・実技とも、外貨建て商品や投資信託に関連する問題が前回に続き出ていますので基本的な事柄を十分理解しておきましょう。
タックスプランニング
今回のタックスプランニングでは法人税に関する出題が学科で3問ありました。やはり、今後の法人税率の軽減という流れの中で、法人成りが増加するであろうことが予想されることが影響しているのでしょう。法人税を苦手とする受験生も多いと思われますが、法人税に関しては、過去問を解くことで「いったい何が試験で問われるのか」を押さえてから、テキストで学習するほうが効率的です。たとえば過去問から法人と役員の取引や交際費、租税公課については頻出項目であるということがわかります。
源泉徴収票についての読み取りについてはここ最近、結構、踏み込んだ点まで問われています。源泉徴収票の摘要欄に記載される項目の読み取り力については、3級でも出題されていますのでしっかり押さえておきましょう。
あとは定番問題の、分離課税と総合課税、各種所得の区分ができるかどうか(たとえば事業的規模の不動産賃貸は不動産所得であること等)、各種所得金額の計算(一時所得・退職所得・給与所得・雑所得等)、損益通算や繰越控除、扶養控除、保険金の課税関係は過去問を解く中で正解力を上げていきましょう。また、扶養控除についての改正(年少扶養親族の扶養控除の廃止や、16歳以上19歳未満は38万円の扶養控除しか受けられないこと等)は平成23年の所得税から適用されますから過去問を解くときは留意して下さい。
不動産
学科試験は、不動産の登記、土地の価格、民法における不動産の売買契約上の留意点、借地借家法、建物の賃貸借、法令上の制限からは建築基準法と農地法、税金では都市計画税及び固定資産税、居住用財産を譲渡した場合の特例、不動産投資信託が出題されました。またDCF法による不動産の収益価格も出題されています。特徴としては不動産の登記、価格売買契約の留意点に関する出題が継続したものの、出題頻度の高い不動産の収益価格を求める計算や建物の区分所有等に関する法律については出題されなかった点が特徴として挙げられます。出題された項目については基本知識を押さえ、過去問を繰り返し勉強しておけば対処できる内容であると思われます。
実技では土地の評価、普通借地権の評価額の計算、登記事項証明書の登記記録について出題されましたが、難易度は従来とあまり変わらないといえます。
傾向としては評価方法や売買契約の留意点など実務に関する基本知識を問う傾向は継続しているといえるでしょう。
相続・事業承継
今回の相続・事業承継の特徴としては財産評価について学科と実技を合わせて、6題(金融商品・非上場株式・上場株式・借地権等・家屋・宅地の評価)も出題されていたことです。FPの学習順序で,最後の項目となりがちですが、路線価評価、借地権、貸家建付地、小規模宅地等の減額規定、上場株式の評価は押さえておくべきでしょう。
そして、放棄者・養子のいる場合の民法上と相続税法上の違いについて理解しているかどうかを問う問題や、代襲相続の発生するケースについての相続人や相続分は定番ですので確実にマスターしておきたいところです。
今回の試験では出題はなかったのですが、贈与に関して、相続時精算課税と暦年課税のそれぞれの計算の仕組みと、これらの贈与が相続財産にどう影響するかについては、いつ出題されてもおかしくはない項目です。
相続税に関しては「債務控除」、「相続税の2割加算の規定」や「配偶者の税額軽減」は要チェック項目です。
なお、平成23年度税制改正で遺産に係る基礎控除等の相続税に関して改正される方向ですが、法令基準日の関係から5月試験においては、おそらく改正後の相続に関する出題はないと思われますので、必要以上に税制改正に神経質にならないようにしましょう。










